MTGは10月22日、「SIXPAD」のリカバリーウエアを刷新した。疲労回復の先にある、より良いパフォーマンスの発揮を目指す「リカバリー3.0」を提案する。新シリーズの全製品に独自の繊維テクノロジー「VITALTECH(バイタルテック)」を採用し、「Sports」「Casual」「Sleep」の3ラインに、機能性インナーやフリースアイテムを加え、全24品(5500円〜2万3100円)を展開する。新アンバサダーには俳優の町田啓太を起用した。参入企業が増え、市場が拡大する中、トレーニングブランドとして培った知見を生かして差別化を図り、新たな需要を開拓する。
リカバリーウエア市場は、健康意識の高まりや休養への関心を背景に成長してきた。2022年の一般医療機器制度の整備以降、価格帯や流通チャネルが広がり、日常生活に取り入れる選択肢として浸透が進む。一方、参入企業の増加によって製品も多様化し、各ブランドが独自の価値をどう打ち出すかが問われている。
その中でMTGは、リカバリーウエア市場の創成期を「リカバリー1.0」、認知や販路が広がった拡大期を「リカバリー2.0」と整理する。各社が着用による体感価値を伝え、市場を育ててきた段階から、幅広い生活者が手に取る段階へと移行する中で、コモディティー化も進み始めていると捉える。

刷新したリカバリーウエア
その次の段階としてSIXPADが掲げるのが「リカバリー3.0」だ。回復した身体で何をしたいのかに目を向け、仕事や運動、日常生活でより良いパフォーマンスを発揮するために身体を整えるという考え方である。疲労への対処を個人の経験や工夫だけに委ねず、日々のコンディションを管理する「疲労マネジメント」の一環としてリカバリーウエアを提案する。
この方向性の土台にあるのが、トレーニングと向き合ってきたブランドの歴史だ。SIXPADは15年に、トップアスリートのトレーニングメソッドを取り入れたホームユースのEMS機器ブランドとして誕生した。身体や筋肉に関する研究開発を重ね、トレーニングからヘルスケアへと領域を広げてきた。鍛えることと整えることを一連のプロセスとして捉え、両方から身体の可能性を支える姿勢を、リカバリーウエアの開発にも反映する。

MTG上席執行役員WELLNESS事業本部の石谷桂子本部長
MTG上席執行役員WELLNESS事業本部の石谷桂子本部長は、「われわれが持っているDNAには、スポーツ、トレーニングがあります。運動をする中ではウォーミングアップやクールダウン、その後の疲労回復も大事です。スポーツに対応するリカバリーウエアをつくろうと考えました」と説明する。
睡眠時や室内での着用に加え、運動前後や活動中にも取り入れられる製品を充実させることで、SIXPADを選ぶ理由を明確にする。今回の刷新は、ブランドが持つトレーニングの知見と、血行促進を支える繊維技術を結び付け、着用場面を広げる取り組みでもある。
3ラインで着用場面を広げ、新規顧客との接点をつくる
刷新後は全製品にMTGが開発した独自素材バイタルテックを採用。極微細に粉砕した8種の天然鉱石を独自配合で繊維に練り込むMTG独自技術で、身体が放出する遠赤外線を吸収し、肌へと放出することで血行を促進する。新シリーズは、一般医療機器の「家庭用遠赤外線血行促進用衣」として展開する。着心地や身体の動きに合わせ、アイテムごとに編み方や配合などを追求した生地を採用している。
製品は、運動や活動中の着用を想定した「Sports」、仕事や外出、移動などに取り入れやすい「Casual」、就寝前後の時間を支える「Sleep」の3ラインで構成する。中でも「スポーツ×血行促進」を象徴するのが「Sports」だ。身体の動きに着目した立体構造により、動きやすさを追求した。「リカバリーウェア ジャージトップ」(2万3100円)は、独自の縫製線と袖下のマチによって、腕を大きく上げ下げする際にもストレスを感じにくい設計とした。吸水速乾・UVカット機能に加え、親指を通すサムホールや、顎に当たりにくいファスナーガードを備える。収納面ではファスナー付きポケットを設け、裾は屈んだ際に腰回りをカバーする形状にした。「リカバリーウェア ジャージパンツ」(2万1780円)とともに、運動時の使いやすさと、日常にも取り入れやすいデザインを両立する。
「Casual」ではクルーネックやパーカー、テーパードパンツなどをそろえ、日中の幅広い着用場面に対応する。「Sleep」はスリープトップやスリープパンツなどを展開し、なめらかな肌触りや快適な着心地にこだわった。生活の各場面に合わせた製品を用意することで、リカバリーを日常的に取り入れる機会を増やす。
顧客開拓では、EMS製品の利用者に対するクロスセルとともに、新規顧客への訴求を重視する。耐久品であるEMS機器は、同じ顧客の買い替えだけでなく、継続的に新しい利用者を獲得することが重要になる。リカバリーウエアも、既存顧客の追加購入にとどまらず、ブランドとの新たな接点をつくる製品と位置付ける。
石谷本部長は、「EMSを使っているお客さまへのクロスセルもあると思います。リカバリーウエアを気に入って、何枚か買ってくださる人もいらっしゃいますが、新規顧客の開拓を積極的に行っていきます」と話す。
- 新アンバサダーに起用された町田啓太
新アンバサダーの町田啓太は長年アンバサダーを務めるプロサッカー選手の長友佑都氏と共に、こうしたリカバリーウエアの価値を伝える役割を担う。町田自身、ダンスや俳優としての活動を通じ、身体を整える重要性を実感してきた。若い頃は鍛えることに意識が向いていたが、けがや年齢による身体の変化を経験し、現在は鍛えることと整えることを同じように大切にしているという。

左から、血行促進をテーマに基調講演をした西九州大学リハビリテーション学部理学療法専攻の中村雅俊教授、長友佑都選手、町田啓太、MTG上席執行役員WELLNESS事業本部の石谷桂子本部長
役柄や作品ごとに求められる表現に応える町田の姿は、次のパフォーマンスに向けて身体を整えるという新しい提案と重なる。SIXPADは町田とともに、リカバリーをアスリートに限らず、仕事や日常でより良い状態を目指す人へと広げる。トレーニングで培ったブランドの強みを製品と情報発信に反映し、成長する市場で独自の需要を掘り起こす。























