ライオンは、オーストラリア発のナチュラルスキンケアブランド「Sukin(スーキン)」の日本展開を本格化する。同社は今年1月、スーキンを展開する豪PNB Consolidated Pty Ltdの全株式を取得。7月には国内での輸入・販売を担う100%子会社のスーキンジャパンを設立した。11月19日にスーキンブランドのスキンケア製品の輸入販売をコスメキッチンやビープルの公式ウエブストアなどで開始する予定で、第1弾として「シグネチャーシリーズ」全6品(1990~2980円)を展開する。ライオンは中期経営計画「Vision 2030 2nd STAGE」でビューティケア事業を「チャレンジ事業」に位置付けており、スーキンを新たな成長機会の獲得につなげる。

スーキンは2007年にメルボルンで誕生し、現在は世界22カ国で展開している。自然由来成分を取り入れた製品づくりに加え、環境への配慮と使い続けやすさを特徴とする。オーストラリアではナチュラルビューティケアブランドとして売り上げNo.1(※)の実績を持つ。
※25年7月~26年6月
オーストラリアPharmacy・Groceryチャネルにおけるブランド累計販売金額ベース

スーキンジャパンの笠原陽子社長は、日本のスキンケア市場について、美容医療や高濃度成分など目に見える効果を追求する「攻め」のケアが広がる一方、肌の揺らぎを感じた際にはナチュラルスキンケアを取り入れる動きがあると説明した。国内の手頃な定番化粧品と、高品質だが高価格な海外プレミアムオーガニックの間に市場機会があると分析。「クリーンな品質、心地よさ、毎日続けられる手頃さ」を組み合わせ、独自のポジションを築く考えだ。

スーキンジャパン笠原陽子社長

化粧品の展開はライオンにとって大きなチャレンジだ

日本では本国で200種類以上を展開するラインアップを一気に導入せず、まずスキンケアに集中する。第1弾のシグネチャーシリーズは、メイク落とし、洗顔料、スクラブ洗顔料、ミスト化粧水、乳液、保湿クリームの6品。多様なブランドの商品を組み合わせて使う日本の消費行動を踏まえ、笠原社長は「まずは毎日のルーティーンの中にスーキンを1本差し込んでもらう」と説明した。中でもクリームクレンザーをブランドとの最初の接点に据え、香りやテクスチャー、洗い上がりの心地よさから他の商品へ利用を広げる戦略を描く。

本国のマーケティングディレクター、ジェーン・ファン氏は、日本の消費者について「成分表示に目を通し、品質の違いに気付く」と評価。「日本に美容のあり方を教えに来たのではありません。その美しさの隣にそっと寄り添うものを届けに来ました」と語った。

笠原社長は、1年目はシグネチャーシリーズを毎日の不可欠な存在として定着させ、3年後には「ナチュラル市場の代名詞」への成長を目指す方針を示した。5年後にはスキンケアからボディケア、ヘアケアへ領域を広げ、「暮らし全体を心地よくするビューティケアブランド」へ進化させる考えだ。★

月刊『国際商業』2026年11月号掲載