自治医科大学認定ベンチャーのテレバイオは、日本触媒グループの最先端リポソーム技術を活用し、テレバイオの吉村浩太郎代表が開発したヒト脂肪幹細胞「セクレトームエキス®」を内包した新しい化粧品原料「セクレトームエキス®Nano」を2025年4月29日から販売、化粧品分野においてその提案を強化している。同製品は、PDI(多分散指数)0.15という極めて高い均一性を誇る多重層リポソームが、独自技術で浄化・高濃度化された「セクレトームエキス®」を安定的に角層深部へと届け、「セクレトームエキス®」の持つ優れた機能を最大限に生かす。

近年、再生医療分野などの研究進展に伴い、細胞が分泌する多様な有用因子を含む「セクレトーム」が、次世代のエイジングケア成分として大きな注目を集めている。しかし、その豊富な有用性を化粧品として最大限に生かすためには、セクレトーム自体の品質(純度、濃度、均一性)の向上と、それを安定的に皮膚(角層)へ届けるデリバリー技術という二つの大きな課題があった。

長年にわたりヒト脂肪幹細胞や形成外科領域の研究をリードしてきた吉村代表(自治医科大学 形成外科 教授)は、品質の課題に対し、独自開発した精製技術によるアプローチをおこない、セクレトームから不純物(アンモニアや乳酸など)を除去し、組織再生への関与が期待される有用因子の肝細胞増殖因子(HGF)などを高濃度化・均一化させた、高品質な「セクレトームエキス®」を世界に先駆けて開発した。

この画期的な「セクレトームエキス®」の効果を肌(角層)へ効率的に届けるというデリバリーの課題に対し、日本触媒グループが開発した最先端のリポソームに着目。同技術が「セクレトームエキス®」の安定性を高め、角層深部への浸透を助ける最適なソリューションであると確信し、これを活用してエキスをリポソームに内包した「セクレトームエキス®Nano」として、発売する運びとなった。

「セクレトームエキス®Nano」の主な特長は以下の通り。
1.独自技術により浄化・高濃度化・均一化されたエキス。不純物(アンモニア)が少なく、有用因子であるHGF(肝細胞増殖因子)が豊富に含まれた規格化されたセクレトームエキス®をリポソームに内包している。
2.極めて高い均一性(PDI 0.15)を持つリポソーム:シャープで均一な粒度分布(動的光散乱法〈DLS〉測定)を最新のリポソーム化技術により実現。安定した品質、処方適合性、効果の再現性に貢献する。
3.多重層ナノリポソーム構造:電子顕微鏡で確認された多重層構造が、内包された「セクレトームエキス®」の安定性を向上させ、徐放効果による効果持続も期待される。
4.優れた角層浸透性:3D培養皮膚モデルを用いた試験において、リポソームの角層への高い浸透性を確認済み。「セクレトームエキス®」を角層のすみずみへ効率的に届けることが期待できる。

セクレトームは、基礎研究レベルにおいて血管新生、組織再生、抗炎症、線溶(抗線維化)など、多彩な作用に関与するサイトカインや成長因子などを豊富に含むことが知られている。「セクレトームエキス®Nano」は、リポソーム化技術により、これらの働きが期待されるエキスを安定的に角層深部へ届け、肌本来の力をサポートし、ハリ・ツヤ・うるおいのある健やかな肌へと導くことが期待される。多重層構造による徐放効果で、その働きを持続させることも目指している。

化粧品分野では、再生医療分野でも注目の「セクレトームエキス®」を日本触媒グループの技術を活用した最先端のリポソームに内包、先進的な製品開発が可能になったのに加え、リポソーム化により、処方開発の自由度向上と品質管理の容易化に貢献。セクレトームエキス®Nano配合など、マーケティングにおける独自性と信頼性の高い訴求ポイントを提供できる。

テレバイオは、ヒト脂肪幹細胞「セクレトームエキス®Nano」を通じて、サイエンスに基づいた高機能化粧品の開発をサポートしていく。今後もセクレトームエキス®を活用した革新的な化粧品原料の開発に取り組み、同社の目指す、健康・若さ・美しさの存続をかなえることを目指す。