タカラベルモントは、金森合金、読売新聞大阪本社(以下、読売新聞社)と共同で、使用済みのヘアカラー剤アルミチューブと新聞印刷時に使用する刷版と呼ばれるアルミ製の板を活用した工芸品「ORIZARA」を大阪・関西万博で展示、販売する。
「ORIZARA」は、3社が初めて共同制作したアルミ製の器だ。「大阪・関西万博」のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に共鳴し、「未来社会の実験場」をコンセプトとする同博から、人類共通の課題解決に向け、新たなアイデアを創造発信しようと誕生。工芸の力で持続可能な社会の実現を目指すとしている。
素材は、タカラベルモントの業務用ヘアカラー製品開発時に出る使用済みアルミ製チューブ容器のほか、読売新聞社が新聞印刷時に使用する刷版と呼ばれるアルミ製の板を利用。高温の炉で素材を溶解すると、チューブ内に残ったカラー剤や新聞印刷用のアルミ板に残ったインクは燃焼し、活用が可能になる。江戸時代1714年に創業した金森合金が300年以上受け継ぐ金属精錬と砂型鋳造技術を用いて使用済みの金属資源を再生し、日本産業規格に適合させながら、暮らしに寄り添うシンプルなデザインの工芸品に仕上げた形だ。
アルミニウムはリサイクルの優等生と言われ、原料であるボーキサイトから製造する時と比べて再利用すると約97%のエネルギーが削減でき、使用済アルミチューブの量は、現在、年間約2500トン(令和5年経済産業省生産動態統計より推計)ともいわれている。
「ORIZARA」のデザインはタカラベルモントが担当。「大阪ヘルスケアパビリオン」に出展参加する同社の展示のモチーフになった「インフレータブル構造」の原点でもある「折り紙」から着想を得たデザインで、300年以上の歴史が培った金森合金の確かな技術と現代の感性が交差し、次の世代に継承される工芸品となるよう願いを込めている。
「ORIZARA」は、5月27日~6月1日の期間、大阪・関西万博内・ギャラリーEAST、ポップアップステージ南で開催される「饗宴!匠が演じる日本美の世界 powered by MUFG工芸プロジェクト」にて初めて展示・販売を行う。同博終了後は、3社で、レガシーとして残るよう「サステナビリティ×工芸」プロジェクトとして活動できるように進めていく考えだ。