経済発展を受け化粧品市場が拡大
日本ではあまり知られていないが、ポーランド最古の化粧品メーカーは100年企業のミーラークルム(Miraculum)社である。化粧品産業の歴史は古く、人口は約3760万人に対して、企業数は1292社と多い。市場規模は5億2000万ユーロ(1ユーロ161円換算で、約841億円)で、欧州で5番目の大きさを誇る。トップのフランスの3分の1だが、2014-23CAGR(年平均成長率)は6.4%でフランスの約3倍だ。ポーランド国立銀行によると、2023年のGDP(国内総生産)は04年比3.6倍に拡大。足元では外国企業の進出、道路・鉄道へのインフラ投資、所得の増加に伴い旺盛な個人消費が経済成長をけん引しており、GDP成長率は24年が3.5%、25年が4.2%、26年が3.3%になる見込み。この好景気の波に乗って化粧品市場の24-28CAGRは3.7%になるという。ポーランドは隠れた化粧品大国ということだ。
化粧品市場の主要カテゴリーは、フェイシャルケアとヘアケアで、市場シェアはそれぞれ約17%。環境配慮やナチュラル・オーガニック成分、安全性重視など日本との共通項は少なくない。一人当たりの化粧品消費額は約2万1000円。EC比率は20.9%と低く、化粧品の買い場は市中の小売店が中心。その売り場にはローカルブランドが多数並んでおり、同国化粧品産業を現地視察した輸入化粧品協会(CIAJ)の菅野沙織理事長は「空港の売り場でもローカルブランドの訴求が多く、ポーランド政府が化粧品産業を育成していることが伝わってくる。私が訪問した企業の「ジャヤ(Ziaja)」「AVA」「OCEANIC」「フォースターリング(4 Starlings)」は、ラボや工場はもちろん、スタッフがフレンドリーで素晴らしかった」と説明する。
ポーランドはGDP成長率に合わせて化粧品市場が堅調に伸びている(写真は「4 Starlings」の店舗)
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