ディーエイチシー(以下:DHC)は、毛穴のメーク残りを洗浄できるバーム型クレンジング技術の開発に成功した。本研究成果は、2024年6月に開催された第49回日本香粧品学会において発表されたもの。

毛穴は加齢に伴い大きくなる傾向にあることが知られている。ファンデーションなどのメーク化粧料は、そうした毛穴を目立たなくさせるのに役立つが、しっかりと洗浄をしなければ毛穴にメークが残ってしまう。そこで、DHCは毛穴のメーク残りを検証する新しい方法を確立し、バーム型クレンジング料の性能について研究を行った。

20 歳代と 50 歳代の頬部肌模型に油性ファンデーションを塗布し、定圧・定速という一定の条件下でクレンジングを行い、メークの残り具合を比較した。その結果、50 歳代はメークの残留面積が大きく毛穴にメークが残りやすく、 20 歳代と比べてより強い力でのクレンジングが必要であることが分かった。

クレンジング時の圧力とメーク残りの関係の図

大きい毛穴のメーク落としに強い力が必要になる要因は、こすり洗いによるクレンジングが毛穴に届いていないからであることが推察された。そのため、クレンジング時の摩擦による肌への負担が懸念された。一方、毛穴のメークを溶かし出すことができれば、クレンジング時の肌への負担を軽減できるのではないか、と考えられた。

従来技術の課題点:毛穴のメーク落とし時に強い力が必要になる。

今回 DHC として初となる、毛穴に潜ったメーク化粧料を溶かし出し洗浄するバーム型クレンジング技術の開発に成功した。この技術では、毛穴の大きさに関わらず、弱い力でも従来技術と比べて同等以上のクレンジング効果が得られることが示され、肌に対してより負担を少なくするものであることが示唆された。

独自開発したバーム型クレンジング技術のイメージ

DHCは今回の研究成果を基に、新しいクレンジング料の開発を目指していく。