花王の重点事業の一つ、ヘアケア事業の変革が始まった。第一弾は2024年4月20日(3月に一部の取扱店で先行発売)発売の休みながら美しく〝休息美容〟を提案する新ヘアケアブランド「melt(メルト)」。新ブランドの発売を皮切りに、新ブランドの投入と既存ブランドのリブランディングを同時に行い、ヘアケア事業全体のブランドフォーメーションの再編を進める。

花王は1920年代からヘアケア研究を開始し、32年には固形の「花王シャンプー」を発売。「シャンプー」という言葉を日常語として定着させ、日本人の洗髪習慣をつくり上げてきた。その後も、時代に合った生活者のニーズや悩みに寄り添い、技術力をベースに、数々の商品を提案。100年のヘアケア研究を経て、新たに「髪の生きる力を、人の生きる力へ」を事業ビジョンとして掲げ、ヘアケア事業を大きく変革する考えだ。

昨今の国内ヘアケア市場は、堅調に推移。特に販売価格1400円以上の「ハイプレミアム」市場の構成が高まっている。「ハイプレミアム」商品を支持する生活者の声を深掘りすると、商品機能はもちろんのこと、世界観やコンセプト、パッケージなど、感情に働きかける要素を重視している傾向にある(2023年・花王調べ・N=3000・男女20〜59歳)。そこで花王は、「髪の生きる力を、人の生きる力へ」の事業ビジョンのもと、ヘアケアブランドのフォーメーションを、感情ニーズに基づき再編。感情を起点としながら、花王の資産であるヘアケア研究100年の知見を活かし、各ブランドにおいて、常に生活者の期待を上回るモノづくりを推進していく。

今回の事業変革では、拡大する「ハイプレミアム」市場への参入を本格化。その第一弾として、「melt」を発売し、今後、さらなる新ブランドの投入を推進する。同時に、「マス(プレミアムマス/リーズナブルマス)」市場における既存ブランド「merit(メリット)」「Essential(エッセンシャル)」「Segreta(セグレタ)」をリブランディングし、ブランド力を高めていく。

「melt」は、瑞々しくやわらかい、とろけるようなツヤ髪へと導くヘアケアブランド。「メルト モイストシャンプー」「メルト モイストトリートメント」は、髪表面と内側を同時に補修するハイブリッドリペア処方を採用。リペアシールド成分が髪表面に、メルティセラミドが髪の内側に浸透し、ダメージ髪を集中補修する。また、髪内部にうるおいをため込むメルティ美容液成分を配合。髪本来のやわらかさと輝きを引き出し、瑞々しくやわらかい、とろけるようなツヤ髪へと導く。

また、「メルト クリーミーメルトフォーム」は、ヘッドスパ発想の、とろシュワな濃密泡ができあがる生炭酸シャンプー。パウダーを水に混ぜると炭酸が発生して発泡。もっちりとクリーミーな炭酸泡が頭皮と髪にとろけるように密着する。髪をときほぐしながらなじませると、毛穴まわりの汚れや皮脂まで浮き上がらせて落とし、清潔な頭皮と髪に整える。次に使うトリートメントのなじみをよくするブースター効果もある。

生炭酸シャンプーの「メルト クリーミーメルトフォーム」とハイブリットリペア処方の「メルト モイストシャンプー」「メルト モイストトリートメント」のシリーズは、洗髪時、トリートメント時、仕上がりまでの全プロセスにおいて、髪が絡まりにくく、なめらかな質感になることが期待できるという。

月刊『国際商業』2024年05月号掲載