メルカリはSBS即配サポート社と連携し、宅配便100サイズまでを送料一律730円で、非対面の発送サービス「SMARI(スマリ)」から発送して置き配指定で受け取る「エコメルカリ便」を、1都3県(島しょ部を除く)で3月28日から提供を開始した。置き配により再配達を削減し、サステナブルな配送の実現を目指す。

同日に都内で発表会を開催。メルカリの執行役SVP of Japan Region兼CEO Marketplaceの山本真人氏は「日本全国の年間宅配便取扱個数は約50億個に上り、メルカリの荷物の割合は約5~10%を占める。さらにコンビニ発送におけるメルカリの発送割合は約80%に達する。メルカリは流通取引総額が前年比10%増で成長しており、物流業界に与える影響が大きい。労働力不足や再配達問題の解消に向け、サステナブルな物流発展に寄与したい」と述べた。

メルカリ執行役員VP of Business Development / Logisticsの進藤智之氏は「エコメルカリ便」を開始する背景について、「メルカリで出品・発送する際の課題として、商品サイズをすぐに判断できず、梱包や価格設定に戸惑うお客さまが多いことが分かった」と説明。また、置き配の利用率はコロナ前に比べて2.5倍に増加。さらにメルカリ利用者の7割以上が置き配に抵抗がなく、「商品の受け取りを自分のタイミングで行いたい」「配達員の負担を減らしたい」という意識があることが分かった。

そこで「人と社会にやさしいお得な配送方法」(進藤氏)として、「エコメルカリ便」をスタート。宅配便100サイズまで送料一律730円とし、100サイズまでの宅配便であれば、サイズ計測の手間なく発送が可能になる。さらにローソン3000店舗・京王電鉄14駅で設置されているスマリボックスから非対面で発送・受け取りが完結するため、お客のライフシーンに合わせて柔軟に出品アイテムを配送できる。

今後はエコメルカリ便に加えて、らくらくメルカリ便・ゆうゆうメルカリ便の受け取りも「置き配」を初期設定とする。また、エコメルカリ便のエリア拡大、サイズ拡大を図る。さらに「置き発送」の仕組み構築や梱包の手間を軽減する取り組みを推進。「発送や受け取りにおいて、置き配が当たり前となるような物流文化に変えていくイニシアチブをとりたい」(山本氏)と話した。

月刊『国際商業』2024年06月号掲載