ポーラ・オルビスグループのACROが展開するTHREEブランドの研究機関であるTHREE ホリスティックリサーチセンターは、愛知学院大学と共同で、精油が及ぼす心理的・生理的影響を呼吸や心拍変動を通して明らかにする研究開発を2023年7月1日よりスタートさせた。

THREEでは自分本来の美しさを引き出すことを目的に、心・からだ・肌のすべてへ働きかけるホリスティックなアプローチで製品開発を行っている。特に植物の芳香成分である精油について産地や収穫時期、抽出方法にまでこだわり自然の恵みを最大限に取り入れており、精油が実際にどのようにわれわれの心・からだ・肌へ働くのか、われわれの心はどのように外的環境に応答しているのかなど、ホリスティックケアの概念を掘り下げる取り組みの一つとして、心理的・生理的な研究に着目した。

愛知学院大学 心理学部では豊富な知見と機器、設備を組み合わせ、心理学の基礎とこれからの未来へ向けて幅広く教育・研究が行われている。その一部として脳波、呼吸、心電図などの生体情報をもとにした研究も盛んであり、これらの情報から心の動きを解析している。

なかでも榊原研究室では心拍変動・呼吸・血圧などの変化を解析することで自律神経の動きやリラクセーション反応について研究を行っている。人間の体内ではさまざまな外的・内的要因に対して自律神経(交感神経と副交感神経)の調節作用が働き、これらは心臓の拍動にも影響を与えることがわかっている。

安静時の心拍リズムは一定ではなく、拍動速度の増減を繰り返す“ゆらぎ”の状態にある。このゆらぎを「心拍変動」と呼び、図1のようなグラフで表現されます。リラクセーション時にはこの変動幅が大きくなり、またスペクトル解析における周波数からも自律神経の働きを読み取ることができる(図2)。

THREEではこの生体情報を用いた研究を香りの領域に対して、共同研究を実施することで、精油が心とからだにもたらす働きをより深く解き明かすことを目指す。

今回の取り組みの成果は、ライフスタイルコスメブランドであるTHREEにおいて新たな付加価値として今後の商品に活用され、また、広くホリスティックケアの分野の発展に貢献することが期待される。