I-neの2023年12月期第1四半期業績は、売上高が前年同月比20.3%増の97億1600万円、営業利益は15.4%減の10億3100万円、経常利益は28.4%減の9億6800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は31.0%減の5億5800万円となり、増収減益となった。売上高は前年同期比16億3000万円と大幅な増収で、上場以来3期連続で過去最高の第1四半期累計売上高を達成。営業利益は中期的なトップライン拡大に向けたマーケティング投資などを実行した結果、減益となったが、売り上げ、利益ともに通期計画に対して上振れで進捗している。
国内事業の売上高は21.5%増の95億8400万円、営業利益は0.4%増の16億1700万円。
カテゴリー別の売上高をみると、ヘアケア系は、YOLUの好調継続および2023年3月に実施したDROASのフルリニューアルの影響により、前年同期比35.2%の増収となった 。美容家電は、SALONIAの値上げ前の駆け込み需要が発生したことに加え、EMSリフトブラシをはじめとした高価格帯アイテムの好調継続により、3.9%の増収となった。 スキンケア他は、WrinkFadeを新たに計上するも、昨年ブランド売却したNICOLESSの影響により、17.3%の減収となった。なお、NICOLESSの売却影響を除くと19.9%の増収となる。
ブランド別にみると、BOTANISTは、10.7%減の売上高31億7000万円。前期実施した洗顔料の新発売や、アウトバスのフルリニューアル、TVCM実施に伴う大量セルインの反動減等があったが、通期計画に対しては順調な進捗である。2023年3月に液体ボディソープのリニューアルを実行、新たに発売したブランド初の医薬部外品「マイルドケアタイプ」が売上高の増加に寄与した。また、毎年好評を得ている春限定品を発売し、売上高の一部を「(公益財団法人)さくらの会」を通じて寄付し、樹勢回復等の保全活動を支援していく。
SALONIOの売上高は、3.9%増の28億9000万円。値上げ前の駆け込み需要が発生し、主力商品のセルインが好調に推移した。さらに洗顔ブラシやEMSリフトブラシ等、展開を強化している高価格帯アイテムも引続き好調に推移した。また、2023年3月より、有名サロン美容師とのコラボ企画「FIRST BEAUTY PROJECT」を始動し、ヘアアイロンのエントリーユーザーの獲得、使用習慣の定着を図る。
YOLUの売上高は378.4%増の24億7000万円と大幅増収。主力商品が好調を継続しており、特に「カームナイトリペアシリーズ」は、2022年10月にドラックストア市場のシリーズ別売上シェア日本1位を獲得、維持している。2023年2月に新たに発売した、髪の導入美容液「カームナイトリペアブースターヘアミスト」が順調に配荷店を拡大し、売上高の増加に寄与した。
また、トータルクレイビューティーブランドDROASは2023年3月にデザインや品質、価格を刷新するフルリニューアルを行い、さらなるブランド力の強化を図った。
海外事業の売上高は31.4%減の1億3100万円、営業損失は1億6500万円(前期は営業損失1億5100万円)となった。今期よりライブコマース等のオンラインを中心とした新戦略を着実に実行し、3月にはYOLUの越境EC旗艦店を天猫国際(TmallGlobal)と抖音(Douyin)にてオープンした。 YOLUのライブコマースにはI-ne上海の社員が出演し、直接商品の詳しい説明や魅力を伝えすることで、費用対効果の高いライブコマースが実施できた。また、TmallGlobalのシャンプーカテゴリーにおいて、YOLUがランキング1位を獲得。引き続き通期計画の達成に向けて、ライブコマース等を中心とした新戦略に取り組む。
23年12月期の連結業績予想は、売上高13.4%増の400億円、営業利益23.6%増の40億円、経常利益は16.7%増の40億5000万円、親会社に帰属する当期純利益は19.3%増の23億円と、前回公表した数値から据え置いた。