初夏の気配とともに、〝いよいよ〟を感じる機会が増えた。人々がマスクを外す場面が増え、〝いよいよ〟化粧品市場の復活が鮮明になった。メイクアップも、スキンケアも元気。日差しが強くなると、日やけ止めの売れ行きが伸びる。「今年の花王さんはすごい」と競合が舌を巻く。市場回復の2023年。メーカー間の負けられない戦いも、〝いよいよ〟幕を開けたようだ。コーセーの大谷効果も他社がうらやむ成果を生んでいる。小林一俊社長が米アナハイムで始球式を行い、これまた話題になった。大谷効果がコスメデコルテ以外のブランドにも波及し始めたら、〝いよいよ〟コーセーの業績回復は本物になる。そしてインバウンドの販売額は右肩上がりに増加中。クレ・ド・ポー ボーテやSHISEIDOのアルティミューンは、アジアで抜群の知名度を見せつけるように、外国人需要を獲得。〝いよいよ〟戻ってくる中国人観光客を捉えれば、再び躍進するだろう。化粧品市場の活性化は〝いよいよ〟明らかに。23年は楽しい1年になりそうだ。

月刊『国際商業』2023年06月号掲載