資生堂プロフェッショナルは、パーマによるヘアへの熱ダメージとケミカルダメージの二つを抑制する「デュアルパフォーマンスシステム」を新開発した。
ブリーチの必要なハイトーンカラーのヘアトレンドが現在も継続中であることに加え、「クセやうねりなどの悩みをカバーしながら、ナチュラルなストレートスタイルを目指したい」「動きをつけることでなりたい姿をより自由に表現したい」といったスタイリングニーズも強く存在している。しかし、ヘアへの度重なるダメージを懸念しパーマ施術を断念する人も多く、施術履歴や状態によってはヘアスタイリストもお客へパーマをすすめない場合がある。また、ヘアアイロンやコテによるセルフスタイリングで済ませるケースも少なくない。
そこで資生堂プロフェッショナルは、パーマダメージを最小限に抑えながら理想の仕上がりが実現できる方法を追求し、2つのテクノロジーを融合させた「デュアルパフォーマンスシステム」を開発した。
「デュアルパフォーマンスシステム」は、パーマ施術による熱ダメージを抑制する「コルテックス保護テクノロジー」、ケミカルダメージを補修する「CMC補修テクノロジー」の二つのテクノロジーを搭載した技術。毛髪の強度や質感の低下を防ぐだけでなく、理想のパーマ形状を美しく思い通りに表現することができる。
パーマに伴う熱処理は、毛髪の約9割を占める組織「コルテックス」のケラチンタンパクを、元に戻せない形へと変化させる。これは、タンパク質を塊にする「熱凝集」と、パーマに最も重要なSS結合が「ランチオニン結合」になる二つの変性によるものだ。これが毛髪の強度低下や硬化を引き起こし、パーマがかかりにくくなる状態へと変えてしまう。
コルテックス保護テクノロジーでは、こうした二つの変性に対するアプローチとして、コラーゲン構造安定化機能を持つ「ヒドロキシプロリン」に着目。タンパク質同士を反発させ凝集を防ぐうえ、過剰な熱伝導を抑えランチオニン結合の生成を抑制できることを確認した。これにより、熱処理後も毛髪の強度やしなやかさを維持しながら、パーマがきちんとかかる状態を保てるようになる。
コルテックス細胞どうしを接着する「CMC」の構造は、パーマ剤のケミカルダメージによって弱体化し、コルテックスの構造を不安定にする。これにより、髪の強度や質感が低下し、しっかりパーマを形成できなくなるという影響をもたらす。
CMC補修テクノロジーで着目したのが、スキンケア領域で保湿剤・保護剤として用いられる「リピジュア(R)」。リピジュア(R)はCMCのβ(ベータ)層のリン脂質と似た構造をしているため、CMC補修を即座に実行できる。パーマプロセスの中だけでコルテックス構造へのダメージを抑え、毛髪の強度や質感を守りながら、しっかりとパーマがかかる状態へ導くことが期待できる技術だ。
今後この二つのテクノロジーをパーマ剤などに活用し、つややかさとしなやかさを兼ね備えた美しいヘアスタイルへ導く。そしてダメージが気になる人でも好みのヘアスタイルが実現できる世の中をつくることで、一人一人の心を豊かにしていく。