アルビオンは、かねてより、化粧水でも乳液やクリームで感じるような即効的なハリ感を実現したいと考え研究を重ねてきたが、このほど、加熱高圧乳化法により固形油剤をリン脂質と共に特定の比率で微細分散させ化粧水に配合することに成功。使用してすぐにハリ感を実感できる化粧水の開発に成功した。同研究成果は、第89回SCCJ研究討論会にて発表している。

基礎化粧品には乳液やクリーム、化粧水などさまざまな種類がある。また、肌効果にも保湿やエイジングケアなどがあるが、使用直後に感じる即時的なハリなどの肌実感(官能)の訴求も重要な効果の一つである。

しかし、化粧品の種類により配合できる原料や量は異なり、得られる肌実感(官能)も大きく異なっている。例えば、クリームや乳液は固形油剤によりハリ感を出すことは容易いが、化粧水は油剤の配合量自体も少なく、固形油剤の配合は析出など安定性不良を引き起こしやすいため難しいとされている。そのため、化粧水で得られる即時的なハリ感には水溶性高分子や多価アルコールで官能を表現することが多く、クリームや乳液で得られる肌実感とは異なるものであった。

そこでアルビオンでは、化粧水へ固形油剤を配合し、クリームや乳液のようなハリ感を付与したいと考え、安定的に配合できる新規製剤の研究開発を行ってきた。

上記課題の解決手段として注目したのは、新規高圧乳化法だ。

高圧乳化とは、乳化時に高い圧力をかけることで水中に分散した乳化粒子を微細化する技術。しかし、固形油剤を分散剤のリン脂質と共に一般的な高圧乳化を行っても安定した配合ができないという課題があった。これは固形油剤を十分に微細分散できていないことが原因であると考え、別の高圧乳化について検討を行った。

次の検討が、高圧乳化時に熱を加えることで高温度に制御し、より微細に分散させる方法(加熱高圧乳化法)だった。この加熱高圧乳化により、固形油剤をリン脂質と共に特定の比率で微細分散することが可能になり、安定かつ透明性の高い液状製剤(化粧水)とすることができた。また粒子径測定の結果、平均粒子径から微細分散されていることを確認している。

以上の検討より、アルビオンは固形油剤配合で即時的ハリ感を化粧水に付与することに成功。またモニターの結果 32人中31人で使用直後のハリ感を感じられる結果が得られた。

アルビオンでは、今後も加熱高圧乳化法を活用することにより、お客の満足度向上に向けた新規剤型の開発を進めていく考えだ。