P&Gは、オンラインによるインクルージョン研修会(12社17名)と二つの講演会(13社74名)を通じて計25社91名の担当者に向け、インクルージョンスキル(多様性の受容と活用)を社内で推進するためのノウハウを提供した。
P&Gでは、経営戦略の一環として「平等な機会とインクルーシブな世界の実現(イクオリティ&インクルージョン= E&I)」を掲げ、「文化」「制度」「スキル」を三本柱に、経営陣の強いコミットメントのもと、インクルージョン推進、ジェンダー平等、更に多様な社員一人一人が最大限に能力を発揮できる組織づくりに取り組んでいる。
社外からインクルージョン推進について多くの問い合わせがある中で、P&Gは30 年近くにわたって推進してきたインクルージョンへの取り組みやそのノウハウを広く提供・共有し、より良い社会づくりに貢献すべく、2016 年に社外啓発組織「P&Gダイバーシティ&インクルージョン啓発プロジェクト」を発足。同プロジェクトでは、シンポジウムの開催、講演の提供などダイバーシティ(多様性)・イクオリティ(平等な機会)・インクルージョンの啓発活動や、P&Gが独自に開発した「インクルージョン研修プログラム」の無償提供を行っており、これまでに730以上の企業・団体に対してノウハウを提供してきた。
新型コロナウイルス禍によりリモートワークをはじめとした柔軟な働き方が広がりつつある今、多様な働き方の中での社員同士のコミュニケーションやお互いを理解し合うインクルージョンのスキルの重要性が高まっており、さらにP&Gではこのインクルージョンスキルこそがビジネス成長のカギであると考えている。そのため、イクオリティ&インクルージョン推進に意欲的に取り組む企業内で、さらなる推進を後押しするべく、12社の企業・団体の担当者に向けて、現場でイクオリティ&インクルージョンを推進するために必要なスキルを身につける合同研修会をオンラインにて開催した。
同プロジェクトのメンバーである人事部門と執行役員のP&G社員が講師となり、オンライン研修でありながらグループ討論を含む活発なコミュニケーションを通じて、社内でイクオリティ&インクルージョンを推進・定着させるために必要な心構えや具体的なスキル、さらに“無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)”などについて、当社事例を共有し、意見交換を行った。
参加者からは「みんなが無意識の偏見を持っていることを再認識できた。そのためには意識をして受容と活用をすることの必要性を学んだ。」「自分の中で分かっているつもりでも、思い込みに入り込む傾向に気付いた。」「身近なところから自分も行動に移していけるよう常に意識したい」など、研修を通じての新たな発見・気付きや、日々の業務の中での実践に意気込む声が数多かった。
オンライン研修会の他に、P&Gは、兵庫県経営者協会女性産業人懇話会VAL21講演会(13社18名)や、関西経済同友会ダイバーシティ&インクルージョン委員会講演会(56名)においても、イクオリティ&インクルージョンのセッションを行い、インクルージョン推進のノウハウを共有。参加者からは「自分自身がチームの部下にインクルージョンできているか、改めて考える機会になった」「インクルーシブな職場づくりには『スキル』が必要だという発想が印象に残った」などの感想が寄せられている。
P&Gでは、“世界を変える力、未来を育てる力(A Force for Good, A Force for Growth)”のテーマのもと「イクオリティ&インクルージョン」の活動を強化している。今後も、多様な社員一人一人が能力を最大限に発揮できる組織づくりに継続的に取り組むとともに、「P&Gインクルージョン啓発プロジェクト」の活動を通じて、日本社会における「イクオリティ&インクルージョン」の更なる推進に貢献していく考えだ。