アルビオンは6月1日、猿田和三・秋田県副知事や佐々木文明・藤里町長はじめとする関係者が出席のもと、「アルビオン白神研究所抽出研究棟・ALBION Shirakami Vineyard & Winery」(秋田県藤里町)のプレス発表会を行った。また、同日から、同施設(ワイナリー)で醸造した藤里町企画の「白神山地ワイン」が発売。同ワインの発売は4年ぶりとなる。

アルビオンは、2010年に世界自然遺産の白神山地の麓、秋田県藤里町の協力を得て研究所とパイロットファームを設立。12年には、藤里町からヤマ・ソービニオン(ヤマブドウとカベルネ・ソーヴィニヨンの交配種)の購入を開始し、ブドウ由来の化粧品原料の検討を始めた。

15年より、ブドウ栽培と化粧品原料開発について藤里町へ相談を始め、18年から高齢のため廃業したブドウ農家からブドウの木を譲り受け、化粧品原料の研究のためにブドウを栽培。そして、21年に、同研究所の一施設として、自社栽培した植物エキスの製造、抽出技術研究、発酵技術研究を行う「アルビオン白神研究所抽出研究棟・ALBION Shirakami Vineyard & Winery」を開設した。

同施設では、栽培技術研究をはじめ、世界初アルビオンオリジナルの亜臨界ジメチルエーテル抽出を含む種々の抽出研究を行い、種や果皮、果梗からのエキス抽出や、残渣となる果汁からワインを造り、醸造過程で行う発酵技術研究などを行っている。抽出の研究が可能になったことにより、植物栽培から製品配合まで一貫した研究が可能になり、さらなる独自性と効能効果を最大限に発揮することができるという。また、ワイン醸造技術から発展した発酵研究により、新規性の高い原料開発も可能。

一方、藤里町では、1990年頃からブドウ栽培が行われ、「白神山地ワイン」は藤里町の特産物であるワイン原料用ブドウを山形県の醸造所へ持ち込み、製造されてた。しかし、ワインの表示基準の変更により、従来通り「白神山地ワイン」とラベル表示できなくなり、2018年を最後に生産の中断を余儀なくされていた。

ワインの名称変更は、商品のブランドイメージに直結することから、藤里町の「白神山地ワイン」を復活させるために原料の栽培からワイン醸造までの全てを町で行う新しい「白神山地ワイン」を作り出し、改めて特産品としてPRしていくとともに、地域活性化にもつなげていきたいという思いから、今回の4年ぶりの「白神山地ワイン」復活へとつながった。

4年ぶりに復活した「白神山地ワイン」

プレス発表会であいさつに立った、小林章一は次のように述べた。

「本日、抽出研究棟、そしてALBION Shirakami Vineyard & Wineryをお披露目できることを、私自身大変嬉しく思っております。この施設を建設するにあたり、藤里町からは土地をご提供いただきました。この抽出研究棟は、世界初となるアルビオンオリジナルの亜臨界ジメチルエーテル抽出をはじめ、アルコール抽出など他の一般的な抽出もできる施設となっております。アルビオンはこの施設でヤマ・ソービニオンの種子や組織などから化粧品原料の抽出を行い、果汁からはワインを醸造させていただこうと思っております。藤里町から、本日発売となる『白神山地ワイン』の醸造委託をいただいたことは、地域貢献を目指す私共アルビオンとして、とても大きな喜びであります。また今後はワインの発酵技術からヒントを得ながら、発酵を活かした化粧品原料の研究も進めていきたいと考えております。私共アルビオンはこれからも藤里町の皆様に、より貢献できるようお約束申し上げます」

猿田和三・秋田県副知事は次のようにあいさつした。

「このたびは、白神研究所の抽出研究所、ワイナリー、そして『白神山地ワイン』の発表会、誠におめでとうございます。藤里町のブドウの栽培、そして醸造にかける想いに、アルビオンさまからご協力をいただけたということは、われわれにとってもとてもありがたいことでございます。白神山地の自然のままの姿を大事にしながら、もっと白神山地の魅力を広めていくというのが秋田県、藤里町の課題でございます。白神山地の特性を生かした地元産のワインを、また化粧品を世界に広めていくことに関しまして、県として最大の協力をしていきたいと思っております」

左から、小林章一社長、猿田和三・秋田県副知事、佐々木文明・藤里町長