12年の研究開発で絶妙なバランスを発見
「人生で初めて作品と呼べる商品を開発できました」。美研創新の楊建中社長が語るのは、昨年8月より雑貨専門店「ロフト」で先行販売を開始したヘアケアブランド「OR」(オーアール)である。販売価格は1600円(税別)で、自己投資への意欲が高い20代後半から30代の女性がターゲット。すでに取扱店舗数は30社2500店舗を超え、21年中に5000店舗に到達する見込みだ。楽天の5段階評価の口コミは4点台半ばと高水準を維持しており、総合リアルタイムランキング、美容・コスメ・香水リアルタイムランキング、ヘアケア・スタイリングデイリーランキングの三冠を達成(※)。21年の年間販売数量は100万本を計画しており、「OR」がヘアケア市場で台風の目になり始めている。この勢いを生むのが、楊社長が語る商品力の高さである。
先行販売した神戸ロフトの売り場。感度の高いバラエティストアでの支持は「OR」の躍進を支えている
※総合リアルタイムランキングと美容・コスメ・香水リアルタイムランキングは20年7月31日12時25分更新、ヘアケア・スタイリングデイリーランニングは20年7月31日更新(集計は7月30日)
楊社長は、中国におけるヘアケアの第一人者と言っていい。1962年に中国北京市で生まれ、北京化工大学卒業後、85年に来日。福井大学、大阪市立大学を経て米国に渡り、94年に米P&Gに入社。高分子合成の専門家としてヘアケア分野で活躍し、2009年3月に独立した。では、ヘアケアの商品力とは何か。これは実に奥深い議論になる。頭皮の洗浄力、洗浄中の使い心地、洗い上がりの質感など評価項目が多様で、全てを兼ね備える商品をつくることは難しいからだ。それを実現したのが「OR」。楊社長は「研究開発には独立から12年間も費やした」と振り返る。
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