人気アイテムに投資やマンパワーを集中する「ヒーロー戦略」がワークして二桁成長を遂げているキールズが、ブランディング戦略においても成功の兆しが見えてきた。
わかりやすいのがEコマースである。化粧品のEコマースは価格の安いアイテムがよく売れる。価格の高いものはやはり自分の目で見て、使用感を確かめてから購入したいという消費者心理が働くからだ。しかし、キールズのEコマースの場合はまったく逆で、安いものよりも高価格帯の方がよく売れる。実際、全体の売上げの中で、クリーム UFC、カレンデュラトナー、美白美容液、ビタミンC美容液という「ヒーロー」製品が占める割合は店舗よりもEコマースの方が高いというのだ。こうしたデジタルの強さはNPS(ネットプロモータースコア)でも顕著だ。顧客のロイヤリティや継続利用意向は、Eコマースより対面でカンセリングや接客を行う店舗の方が高くなるのが一般的であるし、実際キールズの店舗は高いNPSを誇るが、キールズはEコマースも店舗の数値とほとんど変わらない。
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