2019年も師走に入った。仕事に追われる月ではあるが、1年を振り返り、来年への気持ちを整える時期でもある。先月、中国遼寧省の省都・瀋陽に初めて足を運んだ。私事で恐縮だが、母の生誕地である。生まれたのは戦前の昭和19年9月で、日本がつくった満州国があった頃の話だ。当時、瀋陽は奉天と呼ばれていたが、1歳を迎える前に引き揚げた母に中国の記憶はない。母の姉によると、祖父は満州鉄道の関連会社の支店長で、羽振りの良い生活を送っていたが、引き揚げのとき、全ての資産を没収された。
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