ロート製薬の代表取締役社長に杉本雅史氏(57歳)が就任する。入社は2019年1月15日付で、役職は戦略アドバイザー。同年6月開催予定の定時株主総会と、その後の取締役会の手続きを経て、正式に社長に就任するという。

ロート製薬が杉本氏を招聘したのは、ヘルスケアビジネスの豊富な経験を持っているから。同氏は、1961年8月24日に三重県で生まれた。東京薬科大学薬学部卒(薬剤師)で、84年4月に武田薬品工業に入社。2009年10月に同社ヘルスケアカンパニープレジデントに就任。17年4月から武田コンシューマーヘルスケアの代表取締役社長を務めていたが、「武田コンシューマーヘルスケアの事業開始から1年を一定の区切りとして、18年3月31日をもって代表取締役および社長を退任したい」と自ら申し出て、同年6月に退社した。また、15年5月から18年3月まで日本OTC医薬品協会の会長も務めた。

一方、ロート製薬は、18年7月31日に代表取締役社長を務めていた𠮷野俊昭氏が心筋梗塞で急逝。山田邦雄代表取締役会長兼CEOが同年8月9日付で社長に復帰していたが、経営体制の整備は喫緊の課題だった。ヘルスケアビジネスの最前線に立ち続けた杉本氏の経験は、ロート製薬のヘルスケアビジネスを進化させると、白羽の矢が立った。

今後の焦点は、ロート製薬の成長戦略である「再生医療等の新規事業領域のビジネス化」「グローバル戦略の強化」に杉本氏がどのような手腕を発揮するか。19年2月に創業120周年を迎えるだけに、ロート製薬の動向に注目が集まっている。