2025.06.11

ラメラ構造と抱水性油剤高配合を両立したべたつきのないクリームの処方開発に成功

株式会社ナリス化粧品
「バウンスブースト処方」で肌の内側が水分で満ちたような保湿感を再現


左:ラメラ造像でない一般的なクリーム 右:研究品(顕微鏡写真)

株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は抱(ほう)水性(すいせい)油剤(ゆざい)を高配合した、角質層の細胞間脂質と同じ構造を持つラメラ液晶乳化クリームの処方化に成功しました。その処方を「バウンスブースト処方」と名付けましたので、研究の内容を以下にまとめます。

■研究の背景
老若男女を問わず、年齢を重ねても自分らしくありたい、若々しさを保ちたいというニーズが顕在化しており、ふっくらと内側から沸き上がったようなハリ感のある肌は多くの人のあこがれであると言えます。そのような肌には表面の「しっとり感」だけではなく肌の内側が潤いで満ちたような「もっちり感」が必要であり、この質感を実現するには角質層の細胞間脂質の油分と水分がミルフィーユ状に重なったラメラ構造が重要であると考え、「塗るラメラクリーム」を目指して研究を開始しました。ラメラクリームは角質層の細胞間脂質の構造と類似しているため肌に浸透しやすく、水分保持機能の向上やバリア機能の改善など、肌そのものを健康な状態に導くことが期待できます。




■研究内容
処方研究を開始するとラメラ構造のクリームはできましたが、肌の内部が潤いで満ちたような「もっちり」とした質感は得られませんでした。様々な油剤や水溶性の保湿成分を組み合わせて検討しましたが、求める使用感は得られませんでした。一般的に水と油は混ざり合わず分離しますが、今回は3倍以上の水分を抱え込むことのできる複数の「抱水性油剤」を高配合することで、高い潤い感を感じるクリームの処方化に成功しました。また、単に抱水性油剤を配合しただけでなく、クリーム全体の油分の約半分を抱水性油剤が占めるほどの高配合に成功しています。抱水性油剤は多くの水を抱え込むことができる一方で、テクスチャーがべたつきやすいという難点があります。様々な抱水性油剤の中から数種を組み合わせ最適な割合で配合し、さらにラメラ構造の乳化技術を組み合わせることで、べたつき感がなく肌にとろけるようになじみ、肌の内部が潤いに満ちたような「もっちり感」を感じるクリームの処方化に成功しました。

ラメラ構造でない一般的なクリーム(顕微鏡写真)


研究品(顕微鏡写真)







抱水性油剤が水分を抱え込む様子


■効果の確認
目指す使用感のクリームの処方化に成功したため、実際の効果について確認しました。研究品に毛穴改善効果のある成分を配合し、4週間使用したところ透明感や肌そのものの明るさなどの視覚的な変化だけでなく、毛穴の個数が約42%減少したことが確認できました。(「VISIA(TM) Evolution, (Canfield Scientific INC.,USA)」における特徴の個数)今後も使用感の改善に努め、継続使用することで求める効果に繋がる処方の研究に努めます。

左:使用前 右:使用後(4週間)※シリーズ連用による効果


研究者プロフィール

佐藤桂子(さとう けいこ)



株式会社ナリス化粧品 
研究開発部 研究開発課 処方技術開発グループ
― 略歴 ―
2007年4月 株式会社ナリス化粧品に入社。
― 職務経歴 ―
2007年4月 ナリス化粧品 研究開発部に配属。
現在に至るまで一貫して処方開発業務に従事し、スキンケア、サンケア、メイク品など幅広いカテゴリーの製品を中心に、訪販市場、海外市場、OEM市場、店販市場など各販売ルートに向けた製品の開発に携わる。


【研究者のコメント】
クリームの開発に着手するにあたり、赤ちゃんの肌のように内側から潤いが満ちているような肌感触を実現したいという思いが出発点でした。そのためには、角質層に存在するラメラ構造を整えることが重要だと考えました。いくら保湿力の高いクリームを塗っても、ラメラ構造が乱れていれば、肌は潤いを十分に保持できません。まず、ラメラ構造を再現したクリームの開発に取り組みましたが、それだけでは理想とする肌感触には至りませんでした。試行錯誤を重ねた結果、ラメラ構造と抱水性油剤の高配合を組み合わせた「バウンスブースト処方」にたどり着きました。とろけるように肌になじみ、潤いで満ちたような「もっちり感」をぜひ感じていただきたいです。
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