日本メナード化粧品は、インド原産のハーブ「バコパモニエラ」から抽出したエキスに、コラーゲンの質を低下させる最終糖化産物(AGEs)の「生成を抑制する効果」と「蓄積したAGEsの分解を促進する効果」があることを見いだした。

このエキスは、コラーゲン本来のしなやかさを損なう原因となる糖化から、肌・骨・関節などを守り、全身のコラーゲンの質を高めることで、加齢に伴う肌のハリや弾力、骨のしなやかさ、関節のクッション性の機能低下の改善に役立つことが期待される。

バコパモニエラは、インド原産の湿地に生育する多年草のハーブだ。卵形の肉厚な葉を持ち、白~淡紫色の花を咲かせる。ヨーロッパ、北アフリカ、アジア、南北アメリカなど世界に広く分布している。「ブラーミ」とも呼ばれ、その名はヒンドゥー教の神話に登場する創造神ブラフマーに由来すると言われている。インドでは3000年以上前から美容と健康維持に用いられてきた歴史ある植物である。

コラーゲンは体内タンパク質の約3分の1を占め、肌や骨、関節、血管など全身の組織に広く存在している。コラーゲン線維同士が適度な架橋によって結びつくことで、しなやかさと強度が保たれ、肌のハリや弾力、骨や血管のしなやかさ、関節の円滑な動きなど、美容と健康の維持に重要な役割を果たしており、全身の健やかさを保つために欠かせない生体の成分だ。こうした働きを十分に発揮するためには、コラーゲンの量だけでなく、質を保つことも重要である。

しかし、体内に糖が過剰に存在すると、コラーゲンと反応してAGEsが生成され、体内に蓄積する(糖化)。糖は生体にとって必須の栄養素だが、AGEsはコラーゲン線維間に過剰な架橋を形成するため、蓄積が進むとコラーゲン本来のしなやかさが失われ、硬化して質が低下する。

このようなコラーゲンの質の低下は、肌のハリや弾力の低下に加え、骨のしなやかさの低下や、関節における軟骨のクッション性の低下など、全身の機能低下を引き起こす要因となる(図1)。

図1:コラーゲンの糖化による影響

今回、体内のAGEs量を測定した結果、加齢に伴いAGEsが増加することが確認された(図2)。これらのことから、加齢に伴う肌・骨・関節の機能低下には、AGEsの蓄積によるコラーゲンの質の低下が関与していると考えられた。

図2:体内のAGEs量と年齢の関係

メナードは、コラーゲンの質を維持するためには、機能低下の原因となるAGEsを「新たに生成させない」ことに加え、すでに存在するAGEsを「減少させる」ことが重要だと考え、そのような効果のある素材の探索を進めた。

様々な植物素材を探索する中で、インド原産のハーブ「バコパモニエラ」から抽出したエキスに、AGEsの「生成を抑制する効果」と、すでに蓄積したAGEsの「分解を促進する効果」があることを見いだした。

〈AGEsの生成を抑制する効果〉

グルコースを加えたコラーゲン水溶液にバコパモニエラエキスを添加し、60℃で10日間反応させた結果、AGEsの生成が有意に抑制されることが確認された(図3)。

図3:バコパモニエラエキスによるAGEs生成抑制効果

〈AGEsの分解を促進する効果〉

AGEs架橋モデル物質である1-フェニル-1,2-プロパンジオンにバコパモニエラエキスを添加し、37℃で24時間反応させた結果、AGEs架橋構造の分解が促進されることが確認された(図4)。

図4:バコパモニエラエキスによるAGEs分解促進効果

さらに、肌・骨・関節に関わる各細胞(線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞)において糖化状態を再現した実験でも検証を行った結果、バコパモニエラエキスの添加により、コラーゲン中のAGEs量の減少が確認された(図5、図6)。

図5:各細胞におけるバコパモニエラエキスによるAGEs量を減少させる効果

図6:バコパモニエラエキスによるAGEs量を減少させる効果(染色画像)

以上の結果から、バコパモニエラエキスは、AGEsの生成抑制および分解促進という二つの作用を通じて、コラーゲンの質の低下を抑制する優れた成分であることが示された。これにより、肌・骨・関節など、コラーゲンを多く含む組織の機能維持および改善への寄与が期待される。

なお、同研究の成果は5月15~17日にかけて高松市で開催される第80回日本栄養・食糧学会大会にて発表する。