10月末に冬時間に切り替わると、欧州は一気に冬気分になる。日照時間が急激に短くなり、昼でもヘッドライトをつけるような霧雨にかすむ灰色の日々が続くから、クリスマスが待ち遠しくなる。華やかなイルミネーションが始まるまでの数週間――店頭を飾り、沈みがちな気分を盛り上げてくれるのがアドベントカレンダーだ。
「アドベント」の語源はラテン語で「到来」を意味する。アドベントカレンダーの発祥は19世紀初めのドイツで、12月25日の救世主の到来、つまりキリスト誕生を待ち望んでカウントダウンする日めくりカレンダーだった。だが、今では宗教色は払拭されてプレ・クリスマスのギフトアイテムとして欧州中に広がっている。商業化されたアドベントカレンダーは、日付の部分を開けるとちょっとしたプレゼントが入っていて、クリスマス当日の本当のプレゼントに向けてワクワク感を高めていく。12月1日より前に消費者の手元に届かねばならないので、アドベントカレンダー商戦は早くも9月から始まる。高価格帯の商品では、売れ残りを最小にし、特別感を醸し出すために、限定注文方式をとったり、オンラインや限られた店舗でのみの販売とするものも多い。定番はチョコレートやクッキーなどのお菓子だが、昨今では子ども向けにキャラクターコレクション、ペット愛好家向け、そしてさまざまな年齢の男女向けのコスメや香水などのものが、ブランドや店舗ごとに多数出されている。
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