日本政府は5月23日、新型コロナウイルス対策の指針「基本的対処方針」を改定し、屋内で他者と身体的距離が取れて会話をほとんど行わないとき、屋外で他者と身体的距離が確保できるとき、屋外で他者と距離が取れない場合でも会話をほとんど行わないときなど、マスク着用の緩和策を出した。また、水際対策では、6月から訪日外国人観光客の受け入れを再開。入国者数の上限は2万人だが、ようやくアフターコロナに向けて社会が動き出した。化粧品業界は、長いトンネルを抜け出しそうである。資生堂は三つの国内新工場が本格稼働。国内需要、インバウンド需要の同時回復に対応できる万全の体制を敷いた。このようなコロナ終息後の準備について、各社はどこまで進んでいるのだろうか。インバウンドに傾注し、コロナ禍で獲得した国内顧客をみすみす手放すのはもったいない。コロナは外国人観光客のニーズも変えただろうが、果たして旅先で欲する価値は何か。守りから攻めへ。2022年下期は、製販ともに各社の手腕が問われることになる。各社の打ち手は、とても楽しみである。★
月刊『国際商業』2022年07月号掲載