コーセーは、化粧品を使用したときの脳波の変化に加え、新たにホルモンの作用から心身の状態を捉える研究を進めると発表した。同研究は、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科兼大学院医学研究科委員の満倉靖恵教授との共同で行う。コーセーは、長年培ってきた知見と、同研究結果を掛け合わせることで、新たな美容提案や商品開発につなげる考えだ。

同社は、これまでに化粧品による心の変化をより精密に数値化する手段として「脳波」に着目し、脳波信号解析の第一人者である満倉教授との取り組みを続けてきた。これまで、ファンデーション塗布時の脳波解析から、「心地よい」「メイクをすることが楽しい」という心理的な効果を数値化することなどに成功している。

そうした中、満倉教授の研究では、「脳波」として表れる心の変化は、「ホルモン」によって大きく左右されることが解明されつつあるという。一般的に「ホルモン」は、一生を通じて心と体の周期的な特徴や変化に大きく影響し、また、その特徴は性別、年代で異なるとも言われていることから、同社はこれまでに、「美容」と「ホルモン」の関わりについて着目してきた経緯がある。

今回、「美容がもたらす肌、心、身体への作用」をより深く追究するため、満倉教授との共同研究を本格的に開始し、「脳波」と「ホルモン」両軸の変化を捉え、新たな美容の力や可能性を明らかにしていく。その中で、お客のライフサイクルを踏まえ、「個人」と「一生」に寄り添った研究の推進と、独自価値の提供を目指す。