アテニアが早くもアフターコロナへ向けた成長戦略を遂行している。コロナが猛威を振るった今年の4~6月も通販は二桁に迫る伸長率で推移した。今後の成長を左右する中国市場でも、越境ECで橋頭堡を築き、11月の商機「ダブルイレブン」に向けて装填を急ぐ。国内では、ニーズを集めるクレンジングと意図を明確に打ち出した美容液、最新・最先端の美容理論を携えたクリームを軸に、スキンケアを押し上げるシナリオを描いており、来年にかけて実行する。高品質、低価格という企業理念は、「コロナクロニクル」でのニーズにマッチ、ブランド力のさらなる向上を狙い、認知拡大も図っていく考えだ。

緊急事態宣言を受け、全国の24店舗が1カ月超の休業を強いられたが、通販への誘導も奏功し、全体でも前年を上回る実績を達成した。これを、休業を免れたダイレクトマーケティングの僥倖と評価する向きもあろうが、それは分析が表層的だ。アテニアを含めたファンケルグループが最悪期のコロナ禍で売上げをキープしたのは、「リピート=ロイヤルカスタマー」の賜物だ。通販は8割以上の売上げがリピートに支えられており、これはいわばブランドの支持者。マーケッターであれば、コロナ禍という非常時にそれが一段と際立ったことを見逃してはなるまい。

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