戦後の旅行熱や観光ブーム到来を予見

1959年、東急王国を築いた五島慶太氏が死去した。新聞や週刊誌は、ライバルだった西武グループの堤康次郎氏と対比させて大きく報じた。

そのとき週刊誌の編集部にいた私に、朝日新聞のベテラン記者から「東急の大株主は小佐野賢治という、まだ50歳前の男だ。彼は国際興業という会社を率いて、バス・タクシーなどの運輸業と観光業で急伸している。箱根の有名な強羅ホテルなども所有しているが、東北やハワイも窺っている。この男を取り上げた方が面白いよ」とアドバイスを受けた。

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