ファンケルは、シミが肌に固定化する原因の一つに、皮膚や様々な臓器に存在しているタンパク質「CXCR4」が関係していることを発見した。この研究結果は9月19日~21日にかけて、ドイツのミュンヘンで開催される世界最大の化粧品学術大会IFSCC 2018 Congressで発表する。

シミの原因であるメラニンは、メラノサイトという細胞で作られる。そのメラニンがターンオーバーとともに排出されることで、肌はシミのない状態が保たれている。しかし、紫外線などのストレスにより細胞が損傷を受けると、表皮を支えている基底膜が壊れ、メラニンが排出されにくくなり、シミが固定化されることが知られている。

そこで同社は、基底膜の破壊によってシミが固定化するメカニズムを解明するため、紫外線などの刺激によって起きる皮膚内部の炎症に着目して研究を行った。

その結果、炎症を起こすタンパク質の一つである「MIF」の増加によって増える「CXCR4」を発見。「MIF」が増加すると「CXCR4」も増加し、さらに基底膜を校正するⅣ型コラーゲンの分解が促進されることがわかった。

「CXCR4」が加齢や紫外線に伴って起きるシミの固定化にも関係しているという今回の発見は、ファンケルの今後の新しい美白アプローチとして製品開発に活かしていくことが可能だ。

一過性のシミ(左)と固定化したシミ(右)