2025.06.18

【三生医薬】難吸収素材を“持続的に機能させる”製剤技術を学会発表

三生医薬株式会社
~ クリルオイル×MCTオイルの“マトリックス構造”がもたらす、新たな吸収設計の可能性 ~

三生医薬株式会社(本社:静岡県富士市、代表取締役社長:今村 朗)は、静岡県立大学(本拠:静岡県静岡市、学長:今井 康之)薬学部 薬剤学分野 尾上 誠良 教授とともに、2025年5月に東京で開催された「日本薬剤学会第40年会」にて、難吸収性素材の吸収を“穏やかに、そして持続的に”サポートする新たな製剤技術に関する研究成果を発表しました。
今回の研究では、南極オキアミ由来のクリルオイルと、中鎖脂肪酸(MCT)を組み合わせることで形成される“マトリックス様構造”が、脂溶性の機能性成分の吸収性や持続性を向上させる可能性を、動物試験を通じて明らかにしました。




▼この研究がもたらす“新しい設計視点”とは?

「成分の良さは分かっていても、吸収されにくい」
このような課題に対して、“体への取り込み方(=機能のさせ方)”を制御できる処方を設計するというアプローチが、今回の研究の本質です。
とくに、以下のような製品や企画をお考えの企業様にとって、有力なヒントとなる技術です:
- 難吸収素材(コエンザイムQ10、ルテイン、アスタキサンチンなど)の処方最適化
- “ゆっくり効く”をコンセプトとした機能性サプリメントの開発
- 体感性やエビデンスに基づいた訴求力のある製品づくり
- 処方設計から共同で取り組むOEMパートナーを探している場合

より詳細なメカニズムやエビデンスに関心のある皆さまは、以下の研究概要をご覧ください。

▼研究の背景と概要

【背景と目的】
クリルオイルは、不飽和脂肪酸に富むリン脂質を含み、自己乳化能を有することが知られています。
これまでにも、吸収性が高くない素材と組み合わせることで吸収をサポートする働きが報告されてきました。
今回の研究では、クリルオイルにMCTオイルを加えることで形成される構造体が、より穏やか、かつ、持続的な吸収を実現できるのではないかという仮説のもと、形態観察と動物試験を通じてその有効性を検証しました。

【実験方法1.:吸収の持続性を評価】
- 素材:吸収性がそれほど高くない脂溶性成分「セサミン」
- 方法:セサミンをクリルオイル+MCTオイルの混合液に溶解し、ラットに単回摂取
- 結果:セサミン原末群と比較して、吸収はより緩やかで、かつ長時間にわたり持続しました。


【実験方法2.:脂質低下機能の比較】
- 方法:7日間連続摂取の後、50%コーン油による脂質負荷試験を実施
- 結果:クリル+MCTにセサミンを溶解した群では、セサミン原末群と比較して、血中トリグリセリドの上昇が有意に抑制されました。
→ 持続的な吸収と機能発現の両立が確認されました。




【構造観察:マトリックス形成の視覚的確認】
- 偏光顕微鏡およびナイルレッド染色を用いた水中エマルション観察により、油性成分とリン脂質により形成された微粒子がマトリックスに分散している様子を確認。
- この構造により、素材がマトリックスに包み込まれることで、消化管内での緩やかな放出と持続的な吸収が可能になると考えられます。




▼学会での反響

発表を行った日本薬剤学会第40年会では、研究者や企業関係者から活発な質問と関心が寄せられました。
- 「クリルオイルが形成するエマルションはそのまま吸収されるのか、それとも放出されてから吸収されるのか?」(民間企業研究者)
→ 「エマルションから成分が放出された後に吸収される」と明確に回答。
- 「マトリックスからの放出メカニズムはどのようなものか?」(大学研究者)
→ 「消化管の蠕動運動による撹拌が、マトリックスからエマルションを放出する要因」と説明。

学会での注目度は高く、素材開発だけでなく“製剤設計”がもたらす差別化の可能性について、業界内で新たな関心を呼びました。

▼本研究責任者によるコメント

三生医薬株式会社 常務取締役 研究開発本部長 又平 芳春
「クリルオイルとMCTオイルの組み合わせにより形成されるマトリックス構造は、吸収されにくい素材を“どう機能させるか”という製剤の本質に向き合った技術です。
今回の研究成果は、機能性素材のポテンシャルを最大限に引き出す手段であり、新製品の処方設計において、お客様に新たな付加価値を提案できるものです。
三生医薬は今後も、処方設計から製剤化までを一貫して支援する“開発型OEM”として、お客様との共創による新たな価値の創出に挑戦してまいります。」





静岡県立大学 薬学部 薬剤学分野 尾上 誠良 教授
「本研究の成果は、大きく二つの点に集約されます。第一に、有用な機能性を備えたクリルオイルが、特定の条件下でマトリックス様構造を形成することを明らかにしました。第二に、その構造を活用することで、機能性食品素材の動態を制御する新たな手法を確立しました。
これらの技術が、今後のセルフメディケーションの推進に寄与することを期待しております。」





▼お問い合わせ先

本研究成果にご関心のある企業・研究者の皆さまには、図表付きの参考資料をご提供しております。
製品開発やOEM、共同研究のご相談も随時承っております。お気軽にご連絡ください。
三生医薬株式会社
広報・アウトリーチ担当 藤作(ふじさく)
Email: kenichi.fujisaku@sunsho.co.jp


三生医薬は、これからも世界の人々の心と身体の健康に貢献すべく、健康食品・サプリメントOEMメーカーという枠を超えて、最先端の製剤技術の追求に挑み続けます。
▼三生医薬株式会社について
【所在地】静岡県富士市厚原1468
【代表者】代表取締役社長 今村 朗
【設 立】1993年11月
【資本金】1億2,338万9千円
【売上金】286億円(2025年3月期)
【従業員】830名(2025年4月現在)
【事業内容】健康食品、医薬品、一般食品、雑貨等の企画・開発・受託製造
【会社HP】https://www.sunsho.co.jp





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