ハウス オブ ローゼの事業年度の売上高は前年比5.5％増の119億500万円、営業利益41.5％減の1億5300万円、経常利益32.7％減の1億8800万円と増収減益。一方、物流センターの土地、建物の売却、法人税調整額などで特別利益を計上したことにより、純利益は392.6％増の５億1100万円となった。
各事業が着実に伸長したことにより増収となったが、費用面では、商品の仕入原価の上昇や人件費を始めとする諸費用の増加に加え、当初計画外で物流センター移転に係る費用も発生したことで、営業利益は大きく前年を割れることとなった。
事業別にみると、直営店商品販売事業は5.4％増の92億5400万円、原材料価格の値上げに伴う商品の仕入れコスト上昇、人件費を始めとした諸経費の増加、EC事業での外部モールコストなどの増加により営業損失3000万円（前期は営業利益1億3100万円）と引き続き赤字だった。
ハウス オブ ローゼ直営店は、新型コロナウイルス第7波の影響により、第1四半期は当初計画を下回ったが、その後は徐々に持ち直しの傾向で推移した。強みである「触れる接客」が制限される中、期初に「販売教育部」を新設し、接客力や販売力のさらなる強化を図るべく実践的教育に注力。また販売促進においても集客やスキンケア販売をバックアップする施策やSNSによるブランド認知強化に重点を置き取り組んだ結果、既存店ベースでの売上高は前期比3.8％増となった。
商品面では、美白やエイジング関連のスキンケアラインが伸長した他、昨年9月にリニューアルしたベースメイク化粧品「フランクルール」シリーズがメイクアップ化粧品全体の売上をけん引した。
実店舗は、館の閉鎖および不採算等により12店舗を退店、その一方、退店店舗の代替としての出店を始め計4店舗を出店し、期末店舗数は194店舗。また、店舗改装で、都市部百貨店店舗のうち3店舗を「BePrime」店としてリニューアルし、BePrimeの期末店舗数は10店舗となった。BePrime専用商品も好調に推移しており、上質感を求めた差別化店舗として堅調に推移している。一方、Oh！Baby商品を中心とした半セルフ型ショップの「Oh！Baby」は首都圏2店舗にてポップアップショップ展開やSNSによりブランド認知を進めており、相次ぐ新商品シリーズも好評で、若年層を中心に注目度が高まっている。
EC事業は、Amazon、楽天および新規のZOZOコスメといった外部モールがそれぞれのイベントに合わせた施策の実施等が奏功し、ボディスムーザーを中心に好調に推移し大きく売上伸長。一方自社運営サイトは、コロナ禍で急伸した反動で売上伸び率は若干鈍化したものの、セールが好調だったことやリピーターによる購入が進んだこともあり、会員数の増加を伴い着実に売上増加となったことで、EC売上高は、26.0％の増加となった。
卸販売事業は、売上高7.3％増の14億6000万円、売上高の増加により営業利益は53.0％増の6000万円。個人オーナー店舗向け卸は、新ベースメイク「フランクルール」の発売に伴う旧品商品の返品が売上減の一因となるなど総じて厳しい状況だった。一方大手量販店向け卸は、ボディケアを中心としたセルフ販売型の「リラックスタイム」が拠点数増加に加え、商品構成の見直しやMDの改善を進めたことでお客さまの購買率が向上し着実に売上を伸長。その他一般卸は、ロフトを始めとした販売チャネルの拡大やコロナ禍の鎮静化に伴い好調に推移した。中国越境EC卸は、中国市場に不安定感がある中で年度後半は持ち直したものの、通期では前期比で減少となっている。
直営店サービス事業の売上高は、4.3％増の11億9000万円、売上高の増加と共に売上原価率の低減等もあり営業利益は6.0％増の1億2400万円を確保した。リラクゼーションサロン事業は、新型コロナの影響からは徐々に持ち直してきたものの、顧客の来店回数が減少する傾向にある。このような状況の中で、施術技術や接客強化ほか、コースメニューの改定および簡素化により、単価が上昇。オンライン予約システムの改良により予約件数の増加と来店周期の短縮化も実現し、期中に2店舗を退店した中でも売上高は前年比0.6％の微増で着地した。
カーブス事業は、退会者が増加。その対策として、店舗でのトレーニングと自宅で体感できる「おうちでカーブス」の両方が利用できる「Wプラン」を推奨することで、退会抑制と会員単価の上昇を図ることに成功した。さらにフランチャイザーであるカーブスジャパンによるTVCM効果もあり、期末会員数は期初より約260名増の約9000名となり、売上高は7.2％増となった。
次期の業績予想については、売上高5.4％増の125億5000万円、営業利益95.2％増の3億円、経常利益53.7％増の2億9000万円、当期純利益51.6％減の2億4700万円の見通し。
