メーカー各社の提案が重なり、今年は忙しくなりそうだ。こう話すのは、化粧品専門店の経営者である。特に資生堂、コーセー、アルビオンは、コロナ下のうっぷんを晴らすかのように、意欲的な施策を提案してきているという。その一つひとつに応えるために、店長、スタッフのモチベーションが高い、と経営者は破顔した。とはいえ、各社の提案への現場の反応には温度差がある、ともいう。その差を生むのは、具体的なコンセプトや施策の有無である。営業担当者の曖昧な言葉はご法度で、店長やスタッフはメーカーの本社と現場の距離感を瞬時に見抜くという。メーカーは2020年に始まったコロナ下に構造改革を断行した。その成果がいよいよ実績として表れる。これは化粧品専門店チャネルに限った話ではない。化粧品市場、特にメイクアップ市場は勝負の時になる。一方、OMOの進展も注目すべきポイントだ。果たして、米国や中国とは異なり、小商圏の日本ならではのOMOは生まれ、ライフスタイルに根付くのだろうか。楽しみで仕方がない。あとはインバウンドの回復。そこを見据えた売り場づくりの工夫は進んでいるだろうか。コロナ前は、外国人客が増え、日本人客を失った売り場も多い。同じ轍を踏んではならないのは言うまでもない。改めて、売り場の全国行脚を始めようと思う。

月刊『国際商業』2022年04月号掲載

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