一般社団法人日中化粧品国際交流協会(www.cosmo-jc.org)は2019年4月16日に東京大手町で「中国化粧品市場セミナー」を開催した。今回が5回目で、参加者は約110人に達した。講演したのは、日中化粧品国際交流協会の理事長の楊建中博士、中国の有力化粧品コンサル会社「OIB China」の呉志剛総経理、北京日化協会政策法規部の佟文鑫主任だ。中国進出はもちろん、中国ビジネス強化を考える日本の化粧品原料、OEM、ブランドメーカーの企業に向けて、業界・消費者・法規制の最新動向と日本企業にとって注目すべきことを説明するとともい、会員企業向けに座談会を開いた。
楊建中博士の講演テーマは「中国経済、日中関係、そして中国向け輸出化粧品の未来」。18年、中国経済が減速している中で、化粧品分野のニーズは依然として高い。特に、7年ぶりに安倍首相が訪中したことにより、日中関係が新たな段階に押し上げられた。それは18年、日本企業とビジネスマッチングを目的に、日中化粧品国際交流協会に入会した中国企業数が従来の2倍になったことにも表れた。輸入化粧品規制の緩和、関税率の引き下げ、「電商法」の実施など、中国政府の政策は、輸出に有利な環境を整えたため、これからも「日本製」のアウトバウンド拡大が予想されるという。
「OIB China」の呉志剛総経理は「中国化粧品市場の新局面」について話した。18年の中国化粧品市場は、大きな変化が現れた。ハイエンド化粧品の増加が著しく、ミレニアム世代が市場を牽引するリーダーとして注目されている。彼らをメインターゲットに置き、消費者の購買習慣、嗜好性に合わせたオンライン・オフライン融合の戦略が求めらている。それに伴うデジタル化によるリテールの業態変化、ソーシャル化したメディアの形態も根本的に変わった。スーパーローカルブランドの奮起、サプライヤーチェインの進化も業界のビジネス構造を大きく変え、中国発のC-Beautyがますます存在感を強めていく。
北京日化協会の佟文鑫主任は「中国化粧品法規の最新動向及び実務対応」を題して、化粧品領域の最上位法である「化粧品監督管理条例」改正のポイントと日本企業に対する影響を紹介した。そして初心者でもわかるように、輸入化粧品・新原料のNMPA(旧CFDA)申請プロセスをまとめ、実務上の注意点を説明。そして最後に現行法規の理解と技術要点、「電商法」の影響についての分析を披露した。
最後の座談会では、会員に事前募集した質問を優先的に回答。参加者が直接、講師に質問する時間も設けた。