政治学者・東洋学園大学教授
朱 建榮(しゅ けんえい)
「北朝鮮は、今でも核を放棄しようとは内心思っていない。しかし非核化の方向に行かざるを得なくなっている」とは、北朝鮮問題に詳しいある中国の学者の見解だ。私も同意見なのだが、現状は、一見北朝鮮の望む方向に向かっているように見える。米中の貿易摩擦が、貿易戦争へと至り、両者は抜き差しならない対立に至っているかのようだからだ。対立が深まれば、北朝鮮問題でも意見が異なり、非核化の実現は遠のく。北朝鮮は一部非核化すれば存続できるとほくそえむだろう。思う壺だ。それは中国としては、絶対に避けなければいけない。したがって北朝鮮問題では、中国はアメリカとの対決はなるべく避けようとしている。〈9月9日〉、北朝鮮の平壌では建国70周年を祝う式典と軍事パレードが開催された。数日前まで、習近平主席が参加するのではとの報道がされていた。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。