大丸松坂屋百貨店は、19年2月期通期の免税売上高予想を590億円とした。期初予想の550億円を40億円上回る見通し。

10月9日に発表したJ・フロントリテイリングの19年2月期中間決算発表会見で明らかにした。中間期(18年3月から8月)の免税売上高は、対前年40.4%増の282億円。免税の客数は同43.4%増となった。特に関西エリアは6月の大阪府北部地震、7月の西日本豪雨、台風12号、8月に入ってからは台風20号と度重なる天災に遭ったが、全体的には想定を上回り好調に推移した。

気になるのは9月以降の天災の影響だ。同社の山本良一代表執行役社長は「関西のインバウンドは前年並みに戻っている。心斎橋は前年以上。一方で、北海道胆振東部地震の余震がまだ続いていることもあり、札幌は回復していない」と語る。10月1日から7日までの、中国国慶節期間における地区別免税売上高は、関西がプラスマイナスゼロに対して、北海道は24%減の厳しい状況だ。山本社長は「時間が経てば札幌も戻ってくるだろう」と見通しを語る。

同社の19年2月期中間業績(国際会計基準)は、売上高に当たる連結売上収益が2272億円600万円(対前年3.1%減)と微減だった。百貨店事業は増収となったが、パルコ事業の衣料が不振だった。一方、販管費の抑制により、本業の儲けを示す連結事業利益は242億7100万円(6.6%増)の増益となった。通期予想は上期の減収を受け、連結売上収益を下方修正した。