天然香料、天然原料メーカーであるロベルテは、会長と最高経営責任者を分離した新たな企業体制を決定し、公表した。

旧最高経営責任者のフィリップ・モベール(Philippe MAUBERT)氏は非常勤会長に就任し、会社の独立性を維持することと、戦略と価値観の継続性を確保することになる。

新最高経営責任者に任命されたジェローム・ブリュア(Jerome BRUHAT)氏は、「天然原料分野での世界的なリーダーシップ確立」「会社の継続的な成長」「オペレーションの近代化」の三つのミッションを掲げる。

ROBERTET S.A.は、1850年にフランス・グラース市で創業した天然原料の世界的リーダー。天然素材から最終的なフレグランスやフレーバーに至るまでの全製造工程を完全に統合・管理している唯一の原料メーカーとなる。現在、世界80カ国に拠点を持ち、約2200人の従業員を擁しており、また1700種類を超える天然素材を顧客に提供している。

直近の実績では、目標であった6億ユーロを超える売上高を2021年に達成している。

ジェローム・ブリュア氏は、日本ロレアルの社長など、長年、ブランドビジネスに携わってきた。今回、世界有数の香料メーカーの最高経営責任者に就任するにあたり、ロベルテの強み、トップとしてのかじ取り、日本市場での方向性について聞いた。


 

ジェローム・ブリュア新最高経営責任者

――ロベルテ社のどういったところに魅力を感じたか、ロベルテ社をどうしていきたいか、抱負をお聞かせください。

ジェローム・ブリュア 私はこの30年、その国・地域ごとの創造力や価値観に基づいた、生活スタイルや世界観を表現するビジネスやブランドを開発することに人生を費やしてきました。ロベルテでは、ビューティー、ホーム、フード、ビバレッジなど、より多くのカテゴリーでより多くのブランドをサポートできる機会があり、私たちは、企業の方々が独自の価値観で、独自のプロジェクトを表現し、そして独自の製品を開発するお手伝いができます。ロベルテは天然香料のグローバルリーダーであり、ユネスコの無形文化遺産に登録された香りの都フランス・グラース市で、長きにわたり培われた独自のノウハウを提供し続けています。私の第一の目標は、1850年以来創業家のモベール家によって築かれてきた、ロベルテの伝統的なノウハウを尊重すること。またロベルテは、天然原料の無限の特性を発見するために、最高の品質と画期的な技術というコアコンピタンスに基づいて未来を築く役割を担っていると感じています。私たちの夢は、より自然で、エキサイティングで、サステナブルな世界を創りたいと願う企業の間で、ロベルテのノウハウと価値を世界中に知ってもらうことです。

――ロベルテは日本で約50年の歴史があります。改めていま日本市場におけるロベルテのアピールポイントはどこにありますか。

ジェローム・ブリュア 私は日本で10年近く過ごした経験があり、この非常に競争の激しいマーケットで、品質と独創性が求められていることをよく理解しています。ロベルテは、世界で最も厳しいとされるEUの規制に準拠した品質と経験を兼ね備えており、高品質な天然原料とクリエイティブアプローチのコンビネーションの提案が可能です。第三の経済大国である日本は、ロベルテにとって非常に魅力的なマーケットで、日本の消費者はナチュラル商品に興味があり、同時に最高の品質と誠実性を求めていると感じています。われわれロベルテは、ニーズに俊敏に反応し、そして私たちの文化は独自のソリューションを生み出すことを可能にしています。私は、重要なブランドを持っている企業や、独自のソリューションを求めている新規参入企業が、ロベルテに興味を持ってくれると信じています。私の願いは、ナチュラル製品のブランドを扱う企業にとって重要なパートナーになることです。私が愛してやまない「三方良し」の原則、お客さまのためになり、私たちのためになり、社会のためになることを、日本だけでなく世界でも実践していきたいと考えています。